RME ADI-2 DAC FS レビュー
世間が騒がしくなりテレワークで家にいる時間が増えると、より音楽に触れる時間も増えました。音楽好きとしては好きなアーティストの音楽を聞くことはもちろん、より良い音で聞くのもファンとして大事なことだと思っています。
レビューといいつつ、使いこなしというか気をつけたい点を重点的に書きました。良い機材なのは確かなので、どう使いこなすかが大事。
現環境@2020.04.29
- トランスポート:PC
(ASUS Prime Z370AのUSB3.0ポートから出力) - DAC:RME ADI-2 DAC FS
(電源はエーワイ電子 APS-g-improved DC12V 3Aに変更) - USBアイソレーション:ifi iGalvanic3.0
(DC-RFソフトグラウンドリンク) - USBアイテム:Aurorasound BUSPOWER-PRO2
(電源供給はせず電源カットに使用) - パワーアンプ:PS Audio Stellar S300
(mogami 2534 XLR接続) - スピーカー:SystemAudio SA2K master
(mogami 3082 バイワイヤ接続)
DACはドイツ、アンプはアメリカ、スピーカーはデンマークと多国籍な環境です。PS Audioのクリーン電源ほしいなーと思ったけど値段見てそっ閉じしました。
ポテンシャルはすごく高い。ただ使い方や環境に注意
使うならUSB入力で
内部クロックの精度が非常に高いのがADI-2 DAC FSのウリでもあるため、クロックはInternalを使いたい。そうなるとS/PDIFは使わずにUSB接続がメインになります。これは音質面でも明確に違いが出るので特に理由がない限りはUSBでの入力をオススメします。逆に言えばUSB入力使わないならこの機種じゃなくてもいい。
USBのシグナルノイズ
ただ、残念なことにUSB入力はノイズの影響を受けやすいです。私の環境だとマインクラフトを実行しているときにシグナルにノイズが思いっきり乗りました。OpenGLの処理に関係してるっぽい?FPSと同期したノイズが盛大に…。
マザボかPCの電源が原因な気はするけど入れ替えめんどいしGTX1080を外すという選択肢はないので、根治ではなく対処療法で対応することに。この問題はiGalvanic3.0で絶縁することで解決しました。
iGalvanic3.0値段も高かったけど効果もすごかった。シグナルノイズは完璧になくなりました。ちゃんと絶縁してくれてたね。でもやっぱ高かった。もうちょっと安くなってほしいぞ。
USBの電源ノイズ
それでも高域にイヤなキンキン音が残ってて、こっちは電源ラインをカットすることで解決しました。リニア電源の外部電源を使ってもダメだったので電源ノイズにはもともと弱い機種なのかもしれません。
この辺の対処してたときにオシロスコープほしいなあっていうのは思いました。前職でレクロイとかいうオシロ触ってたんで一応使えるし。PCオシロ安いし。あると便利だしいろんな波形見るの楽しいよね。
ADI-2 DACの外部電源化
また、機種本体の電源も付属のスイッチング電源からリニア電源に変えることで音質が上がるらしいとのことでこれも実施。世間的に言われてる低音の痩せは感じませんでした。空間表現のなかでも”わざとらしさ”が消えて、ボーカルや楽器の位置関係がハッキリして、冷たい音は冷たく、熱い音は熱く表現してくれるようになりました。つまりフラット。貧乳はいいぞ。
まとめ
てなわけで、本領を発揮するにはそれなりにお膳立てして上げる必要のある機種です。でも、お膳立てしてあげるだけのポテンシャルはある。ここまでしてあげればデジタル臭いとか冷たいとかそういう音じゃないのがわかるはず。そういう次元の製品じゃないというのが個人的な見解。
まあメーカーが製品にこれだけの対処を最初から埋め込めば製品レベルでは2万円プラスくらいの価格でできるはずなので、今回のDACが売れて味を占めて次また民生用DACに手を出すなら力入れてやってほしいなと思います。たのむぜRME。あんたならできる!
いろいろと凄いっぽい(買うか迷ってる人向けの海外サイト記事)
Audio Science Reviewというサイトでamirm氏のレビューと計測データが掲載されています。測定値で見てもかなり優秀なのがわかります。
あとはArchimago's Musingsさんとか(こっちはPro FSの記事なので参考だけど)
そして測定値だけで判断するならMatrix Audio X-SABRE Pro MQAがすごく気になりますね。中華DACはAudio gdくらいしかしらないし聞いたこともないけど、ここまで来たんだなあという感慨に浸ってしまいます。やっぱ文化を育むのは経済的な裕福さが地盤になるよなー。こういうところでも日本の不景気と技術的後退を感じてしまう…。実際の音は知らんけど。
最後に
なんも考えず雑にポン置きして使うだけなら、前に使っていたDENON DA-300USBとかのほうがいいのかもしれないなーと思った。あっちはUSB入力絶縁してるし、AL32プロセッサあるので44.1音源に強いので。そして安い。まあ2020年現在としては他に選択肢はいくらでもあるんですけどね。
あと、トランスポートとしてパソコンを見た時、USBっていうのは扱いが難しい通信規格なんだなーとも。I2Sでしたっけ、HDMIとかで通信できる機種があるっぽいですけどそっちのほうが音質がいい、みたいなことを言われるのもわかる気がします。買ったまま眠ってるiPad Proをトランスポートにしたほうがいいんかな。やってみようかな。
なんにせよ、DTMやってるわけでもなく、パッシブスピーカーでもあるのでパワーアンプとのバランスがすごく大事ですね。パワーアンプをPMA-SA11からStellar S300に買い替えて心底思いました。誰だよアンプはスピーカーほど重要じゃないとか言ったやつ。そこを考えたくないならアクティブスピーカーにしてもいいと思う。KS Digital C-8 Referenceとか欲しい。
今使ってるスピーカーのメーカーであるSystem Audioさんも最近アクティブな機種出してるっぽいんですよね。ワイヤレス接続とかもやってるっぽい。日本に輸入されてないし最近はホームオーディオ向けばっかりだし、小さいメーカーなので海外でもあまり脚光浴びてないのが悲しいね。